2022.03.24
コーディングやデザイン、機能開発にかかる工数を削減するために、WordPress案件では、配布されている(有料・無料を含む)テンプレートを利用することがあります。
制作会社のサイトであってもテンプレートをカスタマイズしたものも多くうまく利用すれば、便利なものです。
しかし、大きな落とし穴もあり初心者が気軽に手を出してしまうと、泥沼にはまってしまうことも多いものです。
既存テンプレートを使う最大のメリットはプログラミングなどの知識やスキルを必要としない点です。ダッシュボードの直感的な操作だけで作成ができるように構成されているので、ウェブ制作の知識やスキルがなくてもワードプレスサイトを構築することができます。
1つ目に通じる内容ですが、ワードプレスを一から構築するとなるとそれ相応の時間がかかります。しかし、既存テンプレートを使う場合はすでにデザインやシステムが構築されているためサイトを完成するのに要する時間は大幅に短縮することができます。
既存テンプレートは、幅広いケースに対応できるように、無難なデザインとなっています。つまり他で多く見かけるような一般的なデザインのサイトとなるため個性的なウェブサイトに仕上げることは難しく、被ったデザインとなってしまいます。。
既存テーマの大きなデメリットは、制作者が想定していない大きなカスタマイズや機能拡張・デザインの変更には、苦労することがある点です。
ソースファイルを変更すれば可能ですが、それをするには製作者の癖が詰まったソースコードをひとつひとつ紐解いて理解していくという労力が掛かります。
自作テーマを制作するより、工数を費やす場合もあります。
CSSなどでも、初期状態で、IDへの指定、「!important」のように強い権限が利用されていた場合、変更に苦労します。
導入したいプラグインがあっても、テンプレートや事前に導入されているプラグインとの相性問題で、導入できないケースも多くあります。
既存テンプレート利用の、最大のデメリットだと感じるのがこの点です。
前述したように既存テンプレート(特に有料)は多くのケースに対応するため、Googleフォントやfontawesome・BootstrapなどをCDNで多く読み込んでいます。
また、デフォルトでプラグインも多く導入されている場合が多く、サイトが重くなりがちです。
自作のテーマであれば、フォントやアイコンはサーバー内に置いたり、プラグインの数を制限するために、機能を自作したり、工夫をすることも可能ですが、既存のテンプレートでは、
それらがあることを前提にシステムが組まれている場合も多く、削除に時間がかかってしまう場合が多いです。
表示速度はクライアントやサイトのユーザーも敏感なため、納品後も対応を求められる場合が多く、苦労します。
表示速度の向上には、サーバー周りの知識も求められるため、学習コストも大幅に増加してしまいます。
ワードプレスやプラグイン、PHPなどは年々バージョンアップされ、サイトを安全な状態で保つには随時対応していく必要があります。しかし既存のテンプレートは、制作時のバージョンに適したものとなるので、将来的なバージョンアップへの対応は保証されておらずバージョンアップへ対応できないおそれもあります。
自分の手で対応するためには、ソースコードの隅々までチェックする必要があります。
数年前、インフルエンサー風の商材販売者たちが、マークアップエンジニアブームを作ったときにも、「これがあれば爆速・コスパ最強でサイトが作れる」みたいな売り文句で
テンプレートの販売を行っていましたが、安易に飛びつくと1から作るより苦労する場合もあります。
メリットとデメリットをよく考えてしようしましょう。
*制作会社の前任者が、有料テンプレートをメチャクチャにカスタマイズしたせいで、表示速度問題と安定性の確保に8か月間、苦労しクライアントに変わりに怒られているコーダーの独り言でした。
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